日本で暮らす中国人が帰国をためらう訳

私は今でも、十数年前の日本で暮らした生活を思い出すことがある。旅行で日本を訪れただけでは何とも思わないかもしれないが、ある一定の期間を日本で暮らしてみれば、恐らくはもう帰国したくないとの気持ちが芽生えていることだろう。


   日本滞在中、地下鉄から地上へ出てみると雨が降っていたときがあった。私は傘を持ち合わせていなかったのだが、それに気付いた日本人のご婦人が自分が 持っていた傘に入れてくれたのである。私達はおしゃべりをしながら歩き、とても楽しく、そしてとても感動したのを覚えている。

  中国であれば見知らぬ人が助けてくれるなど思いもつかないことであるうえ、知らない人が近づいてきたら何か企んでいるのではないかと思うことであろう。

  外国での生活は物質面で満ち足りているということもあるが、最も大きいのは人間関係だと思う。煩わしさがなく、静かな生活を送ることが出来るのだ。

  中国人同士の人間関係は全て「利害関係」であり、話をするにも仕事をするにも「利害関係」であることを気に留めていなければならないため、非常に疲れてしまう。これこそが日本で生活したことのある中国人が帰国をためらう最大の原因ではないだろうか。
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